あおいそら

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幸せを捕まえた

親世代.06

 紆余曲折あったけど、私とシリウスは付き合うことになった。という旨をリリーとリリーの金魚のフン状態のジェームズに伝えた。
 伝えると、リリーは呆れた顔でやっと?と言ってきたが…正直それはリリーに言ってあげたい。
 早くリリーも諦め…じゃなくて素直になって、ジェームズとくっついてしまえば良い。

「シリウス、おめでとう!
 …ってな訳でリリー、僕の彼女になってくれるよね?」

「…はぁ?なんで私が!」

 一瞬言いよどんだリリーに、くっつくのも時間の問題か。とほくそ笑んだ。

「おい、クコ…あくどい顔になってるぞ?」

「あらやだ、私ったら…」

 照れてますという感じを装って、両手で自分の頬を挟んで少し首を傾げて俯く。
 我ながら胡散臭い感じが出て大変面白いと思う。

「あれ、クコって結構愉快な性格してたんだね」

 ビックリするほどリリーにウザ絡みしていたジェームズが、唐突に私にそう言った。
 あと、愉快な性格って多分褒め言葉じゃ無いと思います。

「でも、そんなクコも可愛いよな…」

「はいはい、ご馳走様。
 クコ、もし何かあったらいつでも私に言ってね?
 何でも相談にのるわ」

「う、うん…アリガトー」

 シリウスの呟きを適当にあしらったリリーがチラチラとシリウスとジェームズを見ながら真剣な表情で私に言ってきたけど…なんか素直に喜び辛い感じで、思わずカタコトになってしまった。
 まぁ、もし何かあったら…実力行使で黙らせてみせる。そう心に決めて一人頷いた。

「あ、そうだ…シリウス」

「なんだ、クコ?」

 名前を呼んだだけで嬉しそうに笑うシリウスに釣られるように、私も笑顔になる。

「…これから色々あると思うけど、よろしくね!」

「あぁ!」

 嬉しそうに私に抱きついてきたシリウスにそっと唇を寄せた。
 …今、犬耳と尻尾が見えた気がした。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -