あおいそら

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じょうと

√土筆 in 鶴丸国永

 私は、亜種という特殊個体のため…殆どの刀剣男士を揃えた中堅優良審神者の所へと譲渡されることになった。

 しかしその本丸には、私とは別個体…千子村正がいる。
 気まずいというか、物凄く行きたくないが…拒否権はなかった。


「huhuhuhu…ワタシは千子村正。
 そう、妖刀とか言われている、あの村正デスよ。
 どうぞ"お千"とでも呼んで下サイ。
 …これからお世話になりマス」

 広間に本丸に居る全刀剣男子が集められ、上座の審神者の目の前で私は顕現され、口上をのべると共に、目の前の審神者を主と認め、縁を繋いだ。
 主は女性で、凜とした雰囲気の頼りがいのありそうな方だった。

「はじめまして、私は鶸<ヒワ>といいます。
 本日より、我が本丸の一員として歓迎します」

 そう言った主は、私の後ろにずらっと並んで座る刀剣男士達に視線をやり、

「山姥切国広、本丸の案内をお願いします」

「承知した」

 主の初期刀だと聞いている山姥切国広…しかも極がスッと立ち上がり、こっちだ。と先陣をきって歩き始めたので、慌てて立ち上がり、軽く主に頭を下げてから退出した。


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 本丸を案内してもらいつつ、注意事項などを山姥切国広から聞いた。なんだか可哀想なものを見るような目で見られていた気もする…。

 ともかく、どうやらこの本丸は朝のみ全員揃って食事をし、昼と夜は遠征や出陣で居ない子も居るので、自由らしい。前の本丸では食事なんて主が食べるだけだったので、食事は大変楽しみである。
 そして私は、慣れるためと言うことで一週間ほどは内番や出陣などしなくて良いとのこと。――その時間を使って、この本丸の図書室に暫く通う予定である。
 それから私が女であるためか、それともブラック本丸産だからか、私の部屋は離れだった。
 ポツンと佇む平屋で、お風呂やキッチン、トイレ完備。本邸から離れに来るには、屋根のある渡り廊下を渡る必要がある。…へんに特別扱いされているようで、なんだか微妙だけども、仕方が無いと納得しておいた。

 とりあえず、今日は早めに寝て…明日に備えることにしよう。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -