あおいそら

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いざ、迷宮へ

 迷宮の前で手頃なカモ…じゃなくて、組んでくれる人を見つけて、お金を払い復活ブレスレットを装着して扉の中へ。
 一緒に入ってくれたパートナーは、リエナさん18歳♀。魔法使いでありながら、ぼっちだったので声をかけた次第である。
 リエナさんいわく、前回入った時にやらかしたらしく…チームから追い出されたらしい。それを聞いた瞬間に後悔しかけたが、他にメンバーに入れてくれそうな人が居なかったので耐えた。

「リエナさんは私の後ろに居て下さいね。
 作戦は…いのちをだいじに、です」

 魔法使いはなかなかいいポジションだろうに、追い出されるような…何をやらかしたのか非常に気になるが、あえて聞かずに練習階という名の1階を通り過ぎ、2階へ踏み込む。

「…あ、あのっ!
 本当に2階からで大丈夫なんですかっ!?」

「大丈夫、大丈夫!
 ところでリエナさんは何系の魔法が得意ですか?」

「火です!」

 迷宮は閉鎖空間。そんな場所で盛大に火の魔法を使ったら…酸欠で最悪死ぬ。まさかとは思うけど、うっかり味方(自分含む)を皆殺しにでもしちゃったとか?

「…うん。それ以外の魔法使ってね」

「はい…」

 思わず苦笑しながら告げると、やっぱり火の魔法でやらかしたのか、リエナさんは…しゅん。と軽く頭を下げて呟いた。私は酸素がなくても少々くらいなら大丈夫だが、人間のリエナさんは死んじゃうからね…中級くらいのなら大丈夫かもしれないけど、強い敵が出たときにパニクって大技なんて使ったら…うん、怖い。
 怖い想像を頭振って振り払い、RPGというか迷路の定番、右手をついて進む。を実行。とはいえ、その調子でいくと広い迷宮では階段にたどり着けないので…持ってるスキル:空間移動の空間把握を使って位置を確認する。…ふむふむなるほど。

「じゃあ、リエナさんはさっき言ったとおり、私のすぐ後ろで後方を警戒しつつ、着いてきてくださいね」

「はい!」

 さっきとはうって変わって良い笑顔でリエナさんが頷いたのを確認して、そっと短剣を鞘から逆手で引き抜いた。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -