あおいそら

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なるほど、わからん

 潜水艦での生活は案外快適で、頼れるお兄ちゃん!なペンギンさんと、弄りがいのある男シャチ。潜水艦のマスコットのベポ…といったクルーとも仲良くなったし、困ったことは子供扱いされることぐらいだろうか。
 まぁ、この世界のお姉さんはボンキュボン!ばっかだし、子供扱いといっても別に自分でするけどな〜。って感じで甘やかされてるだけだし。

「あ、ペンギンさん…何かすることないですか?」

 部屋からでると、丁度ペンギンさんが通りかかったので声をかける。

「クコか…丁度良かった。
 俺の代わりにキャプテンを起こしてくれないか?」

 持っていた荷物を抱え直して私の頭をひと撫ですると、起こしたら食堂へ。と言って少し忙しそうに歩いて行った。
 船員も少ないし、大変なんだろうな。と思いながら、船長室に向かう。
 船長室はオペ室の隣。シャワールームも付いているために通っていたので、一切迷わずに辿りつける…といっても、この潜水艦は大きなものではないので迷うことの方が少ないけど。

「ローさん、起きてますかー?」

 重厚な扉をガンガンとノックして声をかけるも返事無し。
 想定通り船長は寝起きが悪いのか…面倒な事を頼まれたなぁ。と溜息をつきながら、入りますよー。と言いながら部屋に侵入…って、鍵かかってるんですけど!?
 思わずドアノブをガチャガチャしながら、船長!起きてください!!と大声で叫ぶ。
 …ペンギンめ、どうやって起こすのか教えていって欲しかったぞ。

「"ROOM"…シャンブルズ」

 薄水色の膜が部屋から出てきたかと思うと、いつの間にか部屋の中に棒立ちしていた。
 …どうやら能力を使ったらしい。
 たったこれだけの為に体力を使う能力を発動させるとか、意味がわからない。と思いつつキョロリと視線を動かして船長を見つける。

「おはようございます、ローさん。
 ペンギンさんが食堂に来てほしいって言ってましたよ?」

 ベッドにダルそうに腰かけている船長の前に移動して声をかけると、明らかに嫌そうな顔をしたかと思うと…私の腕を引っ張ってベッドに引きずり込んだ。
 驚いて目を白黒させていると船長が耳元で、うるせぇ、寝させろ。と呟いてから私をガッチリホールドしてきた。
 船長の胸板に顔を押し付けている状態で、声をあげれそうにない。
 …ペンギンさん、この場合はどうすれば正解ですか?と船内にいるペンギンさんに念を送っていたら、いつの間にか瞼が閉じていた。


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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -