あおいそら

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だけど

- 同じ顔だけど嫌いだなんて言わないで! -

 あの衝撃的な出会いから数日。
 なんだかんだで、私と同じ顔のソックリさん・・・家康くんと仲良くなった。
 え、電車の中で急に腕つかんできた銀髪の彼?怖くて近寄れねぇよ!察しろ!と心の中で近況を語ってみる。

「クコ!」
「あっ、家康!ゴメン待った〜?」

 あの一件から仲良くなった私と家康は頻繁にメールでやり取りしていて、家康たっての希望で家康のお友達に会うことになっている。
 というのも、ソックリな子がいるということを友人にあえて話さず、驚かせたいということらしい。
 楽しいことが大好きな私はにべもなく了承したわけですけども。


「いや、今来たところだ。それにしてもこの格好、ワクワクするな!」
「これぞまさしく双子ルックってやつだよね!」
 悪戯?魂に火のついた私と家康は、おそろいの袖なしパーカーを着ているのである!
 思わず笑いが込み上げてくる、きっと家康のお友達さんびっくりするハズ。

「じゃ、そのお友達さんを待たせてる喫茶店に連れてって!」
「ずいぶん楽しそうだなぁ!無論ワシも楽しみだ」

 二人してクスクスと笑いながら、角を曲がってすぐの喫茶店へ着いた。
 ドキドキする。
 カランコロンと扉のベルの音を聞きながら思わず家康に隠れながら、お友達さんの席へと進む。

「皆、紹介する。これがワシの友達のクコだ!」

 息を吸って、ニッコリと!みんな驚け!そう思いながらおずおずと家康の後ろから飛び出る。

「初めまして!クコっていいまs『ええええ!?双子!!?』」

 私の言葉を遮るように、黄色いシャツの家康以上にガタイの良いポニテ男と、緑のヘアバンドをした男が指をさし驚いている。
 ふふふ、想像通りの驚きっぷり!とニヤニヤしながら家康に目配せすると、ニヤニヤしている家康と目が合った。

「正真正銘、血のつながりはない!だが、ソックリだろ?」

 突然私の肩を組んで、してやったりな顔をした家康が笑う。
 それにしても、このメンバー異質というか、協調性というか、不思議な組み合わせに見える。
 家康から聞いてた以上に濃そうなお友達さんである。

「あぁ、そうそう。三成も呼んだんだけどさ〜」
「イエヤスゥー!!」

 ポニテの人がヤッベ、みたいな顔で頭を掻きながら言った丁度その時、ガランガランと盛大なベルの音と共に叫びながら三成くんが乱入。
 テメェが呼んだのか!?と内心叫びつつ、オロオロと視線を彷徨わせてしまった。

「おぉ、三成!ほら、お前が会いたがってたクコだぞ〜」

 どうしよう、助けて家康!と思っていた仲間にまさかの背中を押され、少しよろけて一歩前へ進んでしまった。
 と、同時に走ってきていた三成くんに衝突。

「・・・ッ!おい、大丈夫か?」

 絶対に転ぶと思っていたその時、腰に腕を回され抱きしめられた。
 ・・・・ん?抱きしめ?エッ!?なにゆえええええ!!?





 どうやら三成くんは私に謝りたくて会いたいと言っていたとかそうでないとか。
 なにせ謝ってくれている三成くんを見ながら家康がニヤニヤしてたし・・・・怪しい。


「本当に、すまなかった」
「あ、うん。もう気にしてないから大丈夫だよ」


 私が悪いわけじゃないけど、こうも謝れるとなんだか申し訳ない気がするのは何故だろうか?
 だけど、なんだか。
 なんだかちょっと、恥ずかしくなった。


2014/07/26

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