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▼ 緑谷 出久
保健室の扉を何気なく開けると…そこには愛しの弟が。
「出久!
どうしたの、またどこかケガした!?」
「ね、姉さん…!」
思わず弟に駆け寄って肩を掴んだ。…掴まれた弟は一瞬目を見開いた後、少し嫌そうな顔をしながら口を開いた。
「ちょっと手首捻っただけだから。
…湿布も貼ってもらったし、大丈夫だよ」
私に見せつけるように目の前で手を振っているけど、我慢強い子だから本当に大丈夫かわからない。
湿布が貼ってある右手を掴み、凝視する。…うむ、問題なし。
「今回は大丈夫そうだけど…無茶したら駄目だからね!
姉さんと約束!!」
「う、うん、気をつけるよ…多分」
ぼそりと付け加えられた、多分。という一言は聞こえなかったことにして頷くと当初の目的を思い出した。
どうやらリカバリーガールは外出中のようなので、勝手に戸棚を漁らせてもらって絆創膏を失敬する。
「それじゃあ、僕戻るね」
「気をつけて戻るんだよ!」
絆創膏を指に巻き付けながら、弟が保健室から出て行くのを見送った。
それにしても弟が本当に可愛かった!
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