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▼ Re:スタート
- 徒然なるままに - 私は、気がつけば私だった。
うん、ちょっと意味わかんないよね。
もっとわかりやすく説明すると、ある日突然前世を思い出した。って感じかな。
前世といっても、別世界だってことはすぐに分かった。…だって、超能力とかが当たり前の世界じゃなかったし。
そして、思い出してから一番ビックリしたのは隣人の存在。
お隣さんは緑谷さんといって、私と同じ歳のお子さんがいる。…名前は出久で、あぁ、ここヒロアカでしたか。と思わず乾いた笑いをしてしまったのは、まだ記憶に新しい。
「クコちゃんも一緒に遊ぼ!」
時々私を遊びに誘ってくれるのはもっぱら彼で、一緒に行くと爆豪勝己がもれなくついてくる。
勝己は毎回、オンナとなんか一緒に遊べるかよ!と言うが、私は無視している。…まだこの年じゃ男女差なんて殆ど無いし。
無視されるのも気にくわないらしく、頻繁に私に突っかかってくるし…ほっといて欲しい。
そして、いつだったか…イズ君が無個性だって判明してから、前以上に勝己のイズ君に対する風当たりが強くなった。
それでも勝己に度々絡みに行くイズ君は凄いというか、マゾなんじゃないかってコッソリ思ってる。
「んだよ、無個性がイキがってんじゃねぇ!」
「ご、ごめん、かっちゃん…」
「…うるせぇ、爆弾男!
毎度毎度イズ君にクソみたいなこと言うんじゃねぇ!!」
「あぁ!?」
ある日、イズ君に対する暴言に耐えられなくなった私は勝己を怒鳴ってしまった。…まさか私がキレるとは思っていなかったんだろう勝己は、一瞬驚いた表情をしたが…いつもの調子で私にも言い返してきた。
確か、モブ女がしゃしゃり出てくんじゃねぇ!とか言われた気がする。
そしてその日から、私と勝己は会うたびに言い争いをするようになった。不本意だけど。
今思えば、結構楽しい日々だった。
イズ君とはヒーローの話をひたすらして、勝己とは言い争ったり小競り合いをしたり。
でも…3年の時に親の都合で引っ越して、それっきり彼らとは疎遠になってしまった。
私は彼らがヒーローになるであろう事を知っている。
雄英高校に入ることも知っている。
私の私情だけど、イズ君と勝己の成長を近くで見たい。あわよくば轟とかも生で見たい。
そう思って…私は必死に勉強して、無事に雄英高校普通科に入学することに成功した。
…はたしてイズ君と勝己は私を覚えてくれているのだろうか?
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