あおいそら

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かえってきました

「…おいっ!クコ!!」

 私を呼ぶ声で目が覚めた。
 そして見えたのはローの顔で、とても近かったし…少し前に船から見送った少年ではなくて、立派な大人の方のローさんの方である。
 良くも悪くも可愛くなくなったローに思わず、幼少ローは割と可愛げがあったのに今はもう…。

「可愛くない…」

「あぁ?」

 思わず漏れた言葉にローの眉間に皺がよって、ゴン。とローが私の額に額をつけた。…よりいっそう近くなった距離に思わず顔が赤くなる。

「…まぁいい。
 それより、体調はどうだ?」

 クッ。と喉で笑ったローは私から顔を離して、床に転がっていた私を起こしながら…大丈夫そうだな。と言い切った。

「まぁ、うん…大丈夫、です」

「…それで、何があった?」

 3時間ほどこの船から消えていた。という衝撃事実を聞かされた。…なんでも、部屋を出て振り返ったら私の姿が消えていて、船のどこにもいなかった。そして、何の脈略もなく急に私が現れた。ということらしい。
 過去の世界で過ごしたのは数日だったが、こっちでは3時間しか経っていなかったようだ。…どうせなら時間経過すらしてなければよかったのに。

「えっと、説明が面倒だから短絡的に言うけど…なんか過去に行ってたみたい」

「…略すな。
 もっと詳しく話せ」

 溜め息をつきつつ服についた埃を払いながらそうとだけ言うと、なんとなく思案顔のローは近くにあった椅子に座り、私をまっすぐ見つめてきた。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -