あおいそら

<<   >>

未来

 目の前の煙が晴れて、今自分のいる場所が分かった。…どうやらマンションかなにかの一室のようで、窓から見える景色がとても綺麗だ。
 マンションの一室なのは分かったけど、何故ここに未来の私がいるのかが分からない。…ただ、ボンゴレアジトとかそういうのじゃなさそうで安心した。

 ソファーに座ったまま、じっとしていると…奥から10年後の正一?が出現した。
 正一?は左右の手にマグカップを持っていたので、どうやらその準備をするために奥…台所?に行っていたのだろう、たぶん。

「クコは飲み物、紅茶でよかったよね?
 …って、ええ!?」

 そして私を見るなり、正一?は驚いて一瞬叫び声をあげたが…あぁ、そういえば。と頷きながらずり落ちた眼鏡を押し上げていた。…その様子をじっと見ていたけど、やっぱり正一格好いい。

「…えっと、正一君?
 ここは君の家、でいいのかなぁ?」

「えっ?
 あぁ、うん…正確に言えば、僕と君の家、かな」

「そうな…んん?」

 ちょっと理解できないポイントに首を傾げていると、正一がブツブツと、そういえば知ってたっけ。とか、これ言って大丈夫なのかな。とか呟いている。

「まぁ、いいよね…たぶん。
 実は僕たち、結婚してるんだ」

「え、あぁ…そうなの?」

 正一はそういいながら、部屋に飾ってある写真を指さした。…その写真はウエディングドレスを着た私が、白タキシードを着ている正一と腕を組んでカメラに向かってピースしている。
 そうか、私は正一と結婚…マジか。

「あー、そろそろ時間かな?
 過去の僕によろしくいっといてね」

 驚いてる間に来たときと同じような煙に包まれ、正一の声を最後に景色が見えなくなった。

<<   >>
Bookmark // Bookshelf

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -