あおいそら

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 病院帰りに近くのショッピングモールに寄って、ウィンドーショッピングを楽しんで…ホテルに戻った頃、スペルビから電話がかかってきた。…タイミングが良すぎて凄く怖いけど。

 電話はかなり一方的で、どこに泊まってるんだ?明日行くから動くんじゃねぇ。という内容だった。…来るって言ってるけど、スペルビ酷いケガしたんじゃなかったっけ?どういう身体してるのか凄く気になる。


 そんなわけで翌日の朝、スペルビがやって来ました。

「おはよう、本当に来たんだ…?」

「あぁ?当たり前だろ」

 ほら、いくぞ。と私をグイグイと引っ張るスペルビに、何が当たり前なんだ?と首を傾げつつも逆らわずについていく。
 途中で引っ張るのを止めたスペルビは私の歩調に合わせてくれたので、一旦手を離してもらって…腕を組んでスペルビにくっついた。
 もしかしてこれは、デートですか?なんて思いながら連れて行かれたのは…水族館。
 水族館って、鮫が鮫見て楽しいんですか?

 さらりとチケットをスペルビが買って館内に入る。
 入ってすぐに大水槽があって、大きなエイが優雅に泳いでいた。…思わず駆け寄って、べっとりと水槽にくっついて眺める。
 右から左へと水槽を至近距離でなめ回すように見つめていると呆れた声で、次行くぞぉ。と引っ張られて、渋々大水槽から離れた。

「これが噂の鰯玉かぁ」

「なにげに詳しいね、スペルビ…」

 沢山の鰯の群れに近づいたスペルビが呟いている。…よく鰯玉とか知ってるね。
 ひとつずつ水槽を覗き込み、説明を読みながらゆっくりと見て回る。
 二階には、ライトアップされて綺麗な色に染まったクラゲが漂う水槽があったりして、一階とはまた別の雰囲気だった。…そしてそのまま進むと、最初に見た大水槽の真上に辿り着いた。
 大水槽は波がたっていて、岩場を模したものにぶつかってザブザブいっている。…上からはあまり魚見えない。

 近くに売店があったので、そこへスペルビを引きずり込んで品物をじっくり眺める。
 下敷きやファイル、鉛筆にボールペン、定番のキーホルダーなんかも沢山あって、見ているだけで楽しい。

「なんか買うかぁ?」

 そうスペルビに聞かれたけど…可愛いけど凄く欲しいものはないので、大丈夫。と答えた。…私的に、これ可愛い!と言いたいだけなので。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -