あおいそら

<<   >>

傷の手当

 ご飯を食べて自室に戻ると、部屋の鍵が開いていた。…警戒しながら銃を構え、ドアを勢い良く開けて部屋に転がり込んだ。

「来るの遅ーい」

 私のベッドに寝転がっていたのは、ベルで…物凄くくつろいでいるけど、人の部屋でなにやってるんの。と脱力しながら聞くと、手当して。とのこと。
 …医務室に行けよ!

「…何で私が」

「王子的に気に入ったから?」

 謎発言に溜め息をついて、じゃあ患部出して。と言いつつ引き出しから湿布を取り出す。
 思ったより素直に服を脱いだベルの打撲痕にペタペタ貼っていく。…なんか、おへその隣に黒いのがあって、擦っても落ちないので痣だと納得した。

「…くすぐったいんだけど」

「あ、ごめん。
 じゃ、次背中貼ってあげるからゴロンしてー」

 子供扱いすんなよ!とプンプンしてるベルを、よいしょー!と転がす。…しょせん8歳。転がすなんて造作もない。
 ペタペタと貼り終わったので、終わったよ。と声をかける。

「じゃあ、次は俺が手当てしてやるよ」

 しししっ。と笑ったけど…ベルに手当てしてもらうとか怖いので断っても、王子が手当てしてやるって言ってのに。と全く引いてくれず、狭い部屋の中で攻防戦が繰り広げられた。…唯一の救いは、ナイフを投げてくる回数が少なかったことだろうか。

<<   >>
Bookmark // Bookshelf

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -