あおいそら

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開始

『…なに遊んでるの、正一』

「う、うわぁああ!
 …ゴメン、クコちゃん!!」

 突然のスパナの声にハッとしたと同時に、私をどかして距離をおきながら正一が叫んだ。

「あ、うん…?」

 なんて良いながら慌てて立ち上がると、正一も慌てたように立ち上がっていて…なんだか笑えてきた。
 笑っていると、何故か正一も笑って…楽しくなってきた。

『楽しそうなとこ悪いんだけど…正一、そろそろ次いかないの?』

 スパナの声に、目尻に溜まった涙をぬぐった正一は、そうだね。と頷いた。…そして皆に聞こえるような声をあげた。

「次は攻撃のチェックをします。
 ターゲットの的にそれぞれ名前が書いてあるので…その名前の人が的を攻撃して下さい!」

 正一が喋り終わるのと同時に、半透明な人型の何かが出現した。
 その人型のお腹あたりには名前がでかでかと書かれている。…これがターゲットなのだろう。

「誰が一番早くターゲット撃破して、クリア出来るか勝負だな」

 いの一番にリボーンが真横に出現していた、"リボーン"と書いてある的を打ち抜き、そう言い放った。…罰ゲームはちゃんと考えてあるぞ。といういらないオマケ付きで。
 ん?ちょっとまって…そのゲームって私も入ってる?…もし入ってたら、現在浮くことすらままならない私には不利なのでは??

「見てて下さい、十代目!」

「ははっ、負けねぇのな!」

 なんて考えてる間に、獄寺・山本は走り出すし、古里君と沢田君は負けないよ!なんて良いながら飛んで行っちゃうし…。
 とりあえず、私も頑張らないと!…負ける気しかしないけど。と思いながら、再度靴に炎をチャージする。さっきの失敗でなんとなく分かった気がするし…今度は大丈夫、たぶん!

「じゃあ、正一くん…私も行くね!
 勝負に負けるのって、悔しいから…頑張ってくるよ」

 正一に手を振って、足に力を込めて空を飛ぶ。
 まさか空を飛ぶなんて経験できるなんて。と思いながら上空に上がり、バランスに気をつけながら一旦停止する。…そういえば、パートナーの黒ライオンは?と辺りを見回すと、足に炎を纏わせたライオンが私のすぐ後ろに立っていた。…キミ、飛べたんだ。

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