あおいそら

みなさんおそろいで

 なんだかカラフルな団体が向こうからやってくるのが見えた。
 …しかも、同じ身長の6人組。
 嫌な予感しかしない。

「あれー、シキちゃんじゃん」

「奇遇だね」

「えっ、野球?」

「ここで会ったが百年目…」

「怖いよっ、一松兄さん!」

「こんな所で何をしていたんだ?」

 想像通り六つ子達で、素早く私を囲むように立ちふさがった。
 お家まであと少しというタイミングでこの仕打ち…。

「あー、松野君達奇遇だねバイバイ」

「ちょっと待った!」

「折角の機会だ。
 俺たちの名前を覚えて貰うぜ…」

「あぃ、十四松です!!」

「…十四松兄さん早すぎ。
 でもまぁ確かに、付き合いも長いし…いい加減覚えて欲しいよね」

「とりあえず、簡単な見分け方から教えるね」

 逃がさないぜ…!というかのようにギリギリと紫の服を着た松野君が腕を掴んでいて逃げられない状況下、どこから持ってきたのか分からない大きなボード写真を取り出したピンクネクタイの松野君に緑チェックの松野君が眼鏡をかけながら、これまたどこから出したのか分からない指示棒で細かく説明し始める。

「まず、これを見て下さい。
 僕たち六つ子は自分の色というものが――



 ――であるからして、僕たちは六つ子だとはいえ、まるっきり同じというわけではないのです。
 分かりましたか、シキさん?」

「…せんせー、シキちゃんは大分前に逃走しましたー」

「・・・。」 

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