あおいそら

私はそんなに弱くないから

 あの日、枯れかけていた私に水…いや、アルコール臭かったからお酒?をかけてくれて、事細かに住所を言ってくれた彼。
 そんな彼に、お礼がしたくて…なんか頑張ったら人間になれました。
 よくわかんないけど、今すぐにでもお礼をしなくちゃ!はやる気持ちを抑えながら、丁寧に言ってくれた住所を思い出しながらやっとたどり着いた。
 たどり着いたけれど、どう声をかけようかと玄関先でモゴモゴとしていると後ろから声を掛けられた。

「あれー、こんな所で何してんの!?
 野球!!?」

「えっ、いや…あの。
 松野 カラ松さんってココの家で合ってますか?」

「えっ、カラ松兄さんの知り合いなの!?」

 なんとか用件?を告げると、元気な青年がちょっと待ってて!と玄関を破壊しながら家へ入っていった。
 思わず、ぽかーんとしながら見送ること数分、騒音をたてながらさっきの青年が人を連れて戻ってきた。

「連れてきたよー!」

「おいおい、ブラザー…何事だ?」

 あっ、この声はカラ松さんだ!と浮き足立つ気持ちを抑えながら、恐る恐る声をかける。

「あのっ、はじめまして!
 私、昨日の夜に助けていただいた花です…」

「なにっ!?
 本当に俺の所に来てくれるなんてな…シキ」

 もしかして、シキというのは私の名前だろうか?
 …カラ松さんに名前付けてもらえるなんて!
 ほぅ。と息を漏らしながら近くにあるカラ松さんをジッと見つめる。
 カラ松さんに会えただけでも嬉しいのに、名前を付けてもらえるなんて…形容しがたい喜びが私の胸をいろどった。


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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -