▼ であう
スタバァコォヒィーで働いている友達から、合コンの人数合わせで来てくれない?って頼まれて…断れなくて、結局ズルズル居酒屋まで来てしまった。
まぁ、それはいい。
…それはいいが、コレはなんだ。
目の前では、同じくスタバァコォヒィーで働いていると聞いた…トド松くん?が兄弟…ってか、六つ子。を連れてきて、いや強制っぽかったけど、皆でワイワイ楽しくやっている間に、他の兄弟に色々言われて…何故ハダカ踊り?
やぶれかぶれ感がでてて…悲惨。
というか、いつの間にか友達に置いていかれて、この場には私と六つ子だけ。
また友達に存在忘れられたかな…。と悲しくなるが、今更感もいなめない。
…お金だけでも置いて帰ろうかな?と立ち上がる。
「あれ、もう帰るの…?」
突然、声をかけられた。
存在感がなさすぎて、もう忍者になれば?とさえ言われた私が…見つかるなんて!と、若干アホな事を考えるくらいにビックリした。
思わず立ち止まって、紫のパーカーの…何松だっけ?をつい見つめてしまった。
その紫松の声で気がついたのか、他の六つ子からも視線を感じた。
「えっと…、そろそろ、お暇しますね?」
当たり障りのない返事をして、お札を適当に出して机に置こうとした。
「ごめんねー、こんなクズと飲み会なんて。
つまんなかったでしょ?」
その時、温度のない声が背中からかけられた。
その声に、コッチを楽しませる気サラサラなかったじゃねぇかテメェ…とか思いつつ、失礼じゃない返事…そんなことないです、楽しかったですよ。と返すと、ハァ?とでも言いたげな、非常に腹立たしい顔をしながら、そんな思ってもいない事言われても嬉しくないから。と…言われた。
「ではなんですか?
テメェらのクソつまんねぇお遊戯みせられて、クソつまんなかったです。
とでも言えばよかったのかしらぁ?
思っていても言わなくてもいい事ってありますよねぇ?
ってか、穏便に済ました方が早く終わって良くないですか?」
あくまでも笑顔で。
笑顔で言い切り、机にお札を叩きつけて居酒屋を後にする。
きっともう会うこともないだろうし、あっても存在感の薄い私のことなんて気が付かないだろう。
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