あおいそら

であう

 スタバァコォヒィーで働いている友達から、合コンの人数合わせで来てくれない?って頼まれて…断れなくて、結局ズルズル居酒屋まで来てしまった。
 まぁ、それはいい。
 …それはいいが、コレはなんだ。

 目の前では、同じくスタバァコォヒィーで働いていると聞いた…トド松くん?が兄弟…ってか、六つ子。を連れてきて、いや強制っぽかったけど、皆でワイワイ楽しくやっている間に、他の兄弟に色々言われて…何故ハダカ踊り?
 やぶれかぶれ感がでてて…悲惨。

 というか、いつの間にか友達に置いていかれて、この場には私と六つ子だけ。
 また友達に存在忘れられたかな…。と悲しくなるが、今更感もいなめない。
 …お金だけでも置いて帰ろうかな?と立ち上がる。

「あれ、もう帰るの…?」

 突然、声をかけられた。
 存在感がなさすぎて、もう忍者になれば?とさえ言われた私が…見つかるなんて!と、若干アホな事を考えるくらいにビックリした。
 思わず立ち止まって、紫のパーカーの…何松だっけ?をつい見つめてしまった。
 その紫松の声で気がついたのか、他の六つ子からも視線を感じた。

「えっと…、そろそろ、お暇しますね?」

 当たり障りのない返事をして、お札を適当に出して机に置こうとした。

「ごめんねー、こんなクズと飲み会なんて。
 つまんなかったでしょ?」

 その時、温度のない声が背中からかけられた。
 その声に、コッチを楽しませる気サラサラなかったじゃねぇかテメェ…とか思いつつ、失礼じゃない返事…そんなことないです、楽しかったですよ。と返すと、ハァ?とでも言いたげな、非常に腹立たしい顔をしながら、そんな思ってもいない事言われても嬉しくないから。と…言われた。

「ではなんですか?
 テメェらのクソつまんねぇお遊戯みせられて、クソつまんなかったです。
 とでも言えばよかったのかしらぁ?
 思っていても言わなくてもいい事ってありますよねぇ?
 ってか、穏便に済ました方が早く終わって良くないですか?」

 あくまでも笑顔で。
 笑顔で言い切り、机にお札を叩きつけて居酒屋を後にする。
 きっともう会うこともないだろうし、あっても存在感の薄い私のことなんて気が付かないだろう。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -