あおいそら

急襲にあう

 家を出ると、ニッコリと笑っているトド松が。
 …なんでいるのかな?と、不審に思いながらトド松に近づく。

「おはよう、シキちゃん!」

「お、おはよトド松くん…」

 ちょっと引きながらも挨拶をすると、笑った表情のまま紙袋を私に渡してきた。
 え、ナニコレ?と言いながら思わず受け取ってしまった…。

「この前言ってた学校に持っていける物、だよ?」

 カサリと音を立てながら中をみてみると、愛らしいウサギのストラップが顔を出した。
 これはもしかして、学校でも使える物…だろうか?
 どう見ても、使えるというより付けていける物だけど。

「ありがとう…」

「さっそく付けて見せて!」

 袋に戻そうとしたらトド松が追い打ちをかけてきたので…あ、うん。と言いながらカバンにそっとつける。
 きゅるんとしたウサギの瞳が私を見つめている…。

「うん、かわいいね!
 この子、シキちゃんになんだか似てるよね?」

 この目とか凄く似てると思う!と無邪気そうに笑ってから、実は自分の分も買っちゃった!とカバンに付いてるウサギを見せてきた。
 トド松のウサギはタキシードで、私のウサギはドレス姿で…どこのカップルだよ!と恥かしすぎて脳内で悶絶した。

 嬉しそうに歩き始めたトド松を追って私も歩き始める。
 …歩くたびに揺れるストラップのウサギも、なんだか嬉しそうに見えた。

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