▼ 急襲にあう
家を出ると、ニッコリと笑っているトド松が。
…なんでいるのかな?と、不審に思いながらトド松に近づく。
「おはよう、シキちゃん!」
「お、おはよトド松くん…」
ちょっと引きながらも挨拶をすると、笑った表情のまま紙袋を私に渡してきた。
え、ナニコレ?と言いながら思わず受け取ってしまった…。
「この前言ってた学校に持っていける物、だよ?」
カサリと音を立てながら中をみてみると、愛らしいウサギのストラップが顔を出した。
これはもしかして、学校でも使える物…だろうか?
どう見ても、使えるというより付けていける物だけど。
「ありがとう…」
「さっそく付けて見せて!」
袋に戻そうとしたらトド松が追い打ちをかけてきたので…あ、うん。と言いながらカバンにそっとつける。
きゅるんとしたウサギの瞳が私を見つめている…。
「うん、かわいいね!
この子、シキちゃんになんだか似てるよね?」
この目とか凄く似てると思う!と無邪気そうに笑ってから、実は自分の分も買っちゃった!とカバンに付いてるウサギを見せてきた。
トド松のウサギはタキシードで、私のウサギはドレス姿で…どこのカップルだよ!と恥かしすぎて脳内で悶絶した。
嬉しそうに歩き始めたトド松を追って私も歩き始める。
…歩くたびに揺れるストラップのウサギも、なんだか嬉しそうに見えた。
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