あおいそら

あきらめてくれ

「こんな所で奇遇だな…シキ」

「えっと…松野君、ホント偶然だね」

「カラ松だ。
 フッ、これはまさにディスティニー。
 俺とお前は巡り会う運命だったのさ…」

 お昼ご飯を買いに来たコンビニで、えっとカラ松…?と遭遇した。
 なんかオシャレ通り越して残念なファッションで、正直他人のフリをしたいけど、声をかけられたので仕方なく対応していると、しょうもない内容だった。
 そして鬱陶しい。

「で、いい加減シキは俺達の名前を覚えたらどうなんだ?」

「うんうん…え、なんて?」

「だから、俺達の…「間違えた、なんてじゃなくて何故?」えっ、いや…」

 適当に頷いていると、急に私の話になったので、思わず聞き返すと…毎回松野君たちに言われている定型文を言おうとしてるのに気がついて全力で遮った。
 何回、覚える気ないと言ったら諦めてくれるのか…。
 モゴモゴと松野君が…青とか、革ジャンとか言っているのを横目で見つつ、時計を確認する。
 …時間ヤバイ。

「じゃあ松野君、私用事あるからまたね!」

「え、俺カラ松…。
 いい加減に覚えてくれよ、My Friend!」

 松野君の低めの声をBGMに全力で走った。

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