あおいそら

笑いは人の薬

 - 泣いて暮らすも一生 笑って暮らすも一生 -

 昔、迷子になって泣いていた私を、大丈夫?って笑わせてくれた…あの人に会いたいのです。
 もう、顔もほとんど覚えていないけれど、あの笑顔をもう一度…見たいのです。

 あの人に会えますように…って、隣町まで散歩するのが日課で、今日も赤塚町をぐるぐる巡る。
 今日は川沿い散歩しようと思い立って、どこか懐かしさを感じる土手を歩く。

 いいお天気だなぁ…。と空を見上げてググッと背伸びをす…


 …!
 今、何が…?
 頭が殴られたように痛い…。
 それに…なんで私、寝転んでるの?

 起き上がった体勢のままポカンとしていると、慌てた表情の男性が大丈夫?と言って顔を覗き込んできた。
 ビックリして目を白黒させていると、何を思ったのか、彼は私の頭をなでながら真剣に…イタイの、イタイの、飛んでいけー!と渾身の力でやってくれた。

「ありがとうございます。
 おかげで痛いのが、何処かに行っちゃいました」

「よかった!
 僕の投げた玉に当たった時はどうしようかと思った!
 お姉さんの名前は?
 僕、松野 十四松!」

「色雲 シキです…」

 差し出された手を思わず掴みながら見上げた、松野くんの太陽みたいな笑顔に、探していたのは、この人かもしれない。と漠然と思った。


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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -