時雨蒼燕流(1/2)
『!』
スクリーンに写し出されたのは刀を ヒュッ と一降りする山本武の姿。
「あれが山本の 時雨蒼燕流」
向かいの並盛側にいるディーノが口を開く。
「……… だが…
これ以上 時雨蒼燕流に 頼るのは危険だ 」
ザッ
スクリーンの中でスクアーロが動きはじめる。
「ゔお゙ぉい!!!
図に 乗るなあ!!!
ヒヨッ子があっ!!!」
ドシュッ
ドガガッ
再び彼の剣から仕込み火薬が飛び出す。
「切る!!!」
動かない山本武にスクアーロは突っ込む。
「えーっと…
こんな時は…
こいつだ」
ちゃぷん
ザッ
山本武の刀によって水が壁のようにスクアーロの行く手を阻む。
「ちいっ」
「ほらディーノさん!! やっぱりすごいよ!! 山本も時雨蒼燕流も!!」
沢田綱吉は無邪気に喜ぶ。
「だと いいんだけどな… 」
それに対しディーノは
「 スクアーロが…
喜んでいるように 見える…」
眉間にシワを寄せながら静かに語った。
突如、スクリーンに大々的にスクアーロの顔が写し出される。その顔はディーノが言ったように不適に笑っていた。
((!
まさか……時雨蒼燕流って…))
「ゔお゙ぉい小僧!!
なぜ防御の後 打ちこんでこなかった!!」
「!?」
「愚かなアホがぁ! 俺に唯一傷をつけることができた
最後のチャンスを 潰したんだぞぉ!!」
「!?」
スクリーンから聞こえる彼の言葉に並盛側が動揺する。
「ししし」
「どうやらスクアーロは確信したみたいだね」
『そうよ…マーモン』
だけどスクリーンの向こう側。山本武は綺麗に笑う。
「ハハ… 最後って…
ずいぶん 言ってくれるな
言っとくけど 時雨蒼燕流は
これだけじゃ ないんだぜ」
顔色を一瞬で変え す・・・ と刀を構える。
ドッ
ザッ
体勢を低くして前に飛び出す。
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