天才のナイフ(1/4)

 


ハリケーンタービンの突風が吹き荒れる中、単調な声が響く。



「3分経過しました」



お互いその場から一歩も動かず、ベルが口を開く。



「嵐の 守護者の 使命って 知ってる?

 常に 攻撃の核となり 休むことのない 怒涛の嵐

 オレには できるけど

 お前には できないね」



   キラ  キラ  キラ

   カカカヵ  バッ




「くっ

 ふざけ やがって!!」



   ザッ



ベルがナイフを投げて、寸前で獄寺が交わす。しかし ビュビュッ とまたナイフが飛んで行き カカカッ と床に突き刺さる。獄寺は今回も伏せてソレを避けたが ビッ ナイフは再び彼に飛んでいく。



「スキのない 流れるような ナイフさばきで相手の 一切の攻撃を封じる
 この風の中で こんなことできるのは ベルぐらいだよ」

「はんっ!」

((やっぱりベルって……))



   カカカッ



再度床にナイフが突き刺さった。獄寺もソレを交わした。そして彼は動き出す。 グッ と壁にボムを取り付け、ベルのナイフと突風が吹き荒れる中、走り出し



   ヂヂヂ


   ドン




教室の中に潜り込んだ。



「爆発に乗じて 隠れたつもり かよ
 隠れんぼ だぁ〜い好き」



ベルは晴れぬ煙の中に佇みながら上機嫌で言った。

獄寺隼人が壁の死角にしゃがみ込み、手にダイナマイトを準備して構えていると



   ビュッ  ビュッ

   スパンッ




ナイフが飛んできて、手に持っていたダイナマイトが綺麗に割けた。


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