プリンス・ザ・リッパー(1/2)

 


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オレの目の前で真っ赤な血を吹出しながら どっ と倒れる男。



「派手にやってるねベル」



オレとそいつしかいない路地裏にやって来たのは



「また覗き見かよ マーモン」



生意気な赤ん坊だ。



「任務の度に ご当地の殺し屋 消して遊ぶの よくないよ
 裏社会の 政治がムダに こんがらがるだろ?」

「政治なんて 知ったこっちゃないって

 だってオレ 王子だもん」



いつもこいつは、金儲けだとか、政治だとか、経済だとか。

本当、可愛くねーガキ。



「ヴァ… ヴァリアー!!
 貴様よくも 弟を!!」



路地に駆け込んできた男。



「おっ 来た来た 弟をやれば 来ると思ったんだよね
 売り出し中の 殺し屋兄弟だし」

「死ねや!!」



ジャキンッ と手にしたのは、棒の先に鋭い棘が着いた金棒のようなもの。
ソレを男は ビュビュ ビュッ と振り回す。





「こいつは 期待はずれだな
 コレ オレの武器ね」



金棒を振り回す男を尻目に懐からナイフをとりだし、そのまま男に投げつける。



   スパッ



「!!」



男は足掻くことなく一瞬で逝った。あっさりと。



「つまんねー」



路地に殺し屋兄弟の残骸を残し、オレはホテルに戻るべく歩きだした。

マーモンは知らない間に何処かに消えていた。


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