決戦前(1/2)

 


「同じリングを持つ者同士の
 ガチンコ勝負〜〜!!?」



沢田綱吉は相変わらずオーバーなリアクションだ。



「ああ
 あとは指示を待てと 書いてある」

「指示…!?」



「お待たせしました」



   バッ

   タン




あたし達の後ろの暗闇から華麗に飛び出して来たのは変な恰好をした女二人。



「今回の リング争奪戦では
 我々が 審判をつとめます




 我々は9代目直属の チェルベッロ機関の者です
 リング争奪戦において 我々の決定は 9代目の決定だと 思ってください」



チェルベッロという奴の一人が、あたし達と同じ9代目の勅命を持っている。



「9代目は これがファミリー全体を納得させるための ギリギリの措置だと おっしゃっています
 異存は ありませんか? XANXUS様 雪歩様」



ボスは無言だったがあたしは驚いた。



『ちょ!なんであたし!?』

「あなたは、ボンゴレに稀に出現するという、雪の守護者ですね?」

『そーよ』

「雪の守護者はその特徴から【Neve miracolosa-奇跡の雪-】と呼ばれています
 雪歩様は自分が思っている以上に貴重な存在なのです」

『へー』



自分でもそんなに特別な存在だとは知らなかった。



「ゔお゙ぉい 雪歩てめー自分のことも知らねーのかよぉ」



隣に居たスクアーロが頭を ゴッ と殴ってきた。
こんちきしょー。これでも女だぞ!



「それで、雪歩様は異存はありませんか?」

『あぁ、ないですよ!』



チェルベッロの質問に笑顔で答えたから、スクアーロに反論出来なかった。



「待て 異義ありだ
 チェルベッロ機関など 聞いたことがないぞ
 そんな連中に ジャッジを まかせられるか」



しかし家光だけは反対した。



「異義は認められません
 我々は9代目に 仕えているのであり あなたの力の及ぶ 存在ではない」

「なに…っ」

「んまあ 残念ね〜」

「本来 7種類の ハーフボンゴレリングは ボスの持つ1組と 門外顧問の持つ1組 計2組が存在し

 
後継ぎの式典の際に 9代目と門外顧問の2人が認めた7名に
 2組のリングを合体させた 完全なるボンゴレリングの状態で 継承されるものなのです

 ですが 今回 異例の事態と なってしまいました
 2人がふさわしいと考える 7名が食い違い それぞれが違う人物に 一方だけを配ったのです

 すなわち9代目が 後継者と認めた XANXUS様率いる 7名と
 家光氏が 後継者と認めた 綱吉氏率いる7名です

 そこで 真にリングにふさわしいのは どちらなのか
 命をかけて 証明してもらいます

 ―――そして雪歩様」

『えっ!あたし?』

「あなたは本来、ボンゴレボスの守護者の一人です。しかし、今宵はこのように二つに別れてボスの座を争うことになりました。そして、雪の守護者であるあなたも存在する。
 なのであなたは今回、勝った方のボスについてもらいます!」

『ちょ…… なによソレっ!!』

「これは決められたことです」

『納得いかないわ!あたしはヴァリアーの幹部よ!ヴァリアーから動くはずないじゃない』

「まあ待て雪歩」



あたしの肩に手をかけて声をかけてきたのは、やはりスクアーロ。



「俺らヴァリアーが あんなガキ共に負ける訳ねーだろぉ!」

『あー、それもそっか』



確かに。自分が賞品みたいな扱いされて少し頭に血が上ったけれど。この生え抜き軍団ヴァリアーがあんなガキ達に負ける訳がない。



『解ったわよ!』

「ありがとうございます」

『でも!』



あたしはどうせだから、此処に居る全員に聞こえるように声を張った。



『あたしは絶対ヴァリアーの幹部だからっ!!』



下に居るガキ達と一緒になんかなるもんかっ。



「では

 場所は 深夜の並盛中学校
 詳しくは 追って説明いたします


 それでは 明晩11時 並盛中で お待ちしています
 さようなら」



   バッ



そして謎のチェルベッロ達は来たとき同様、闇に消えて行った。



   ザッ



そしてあたしたちもガキ達に背中を向けてホテルに戻った。


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