- ナノ -


547
 
 夜明けの空は、薄紫から白色へ。竜の背からそれを眺めながら、彼は言った。この真っ白な空を見るたびに、すごくわくわくしてくるんだ。竜も頷く。自然と翼が軽くなる感じがするよ。ずっと向こうまで、早く飛んで行きたくて。
 今日はこの白から、どんな色が始まるんだろうね? 彼の声が明るく響いた。朝一番の光のなかで。


[