- ナノ -


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 もう疲れたんだよ。旅をすれば見つかると思ってた。何かきらきらしたもの。でも、そんなものなかった。どこにも。失望しただけだったよ。
 小さな村の外れに人知れず住んでいた人間は、竜にそう語った。家とも言えないような簡素な彼の住まいの中で、何かが一瞬、鈍い輝きを放った。心を通わせた竜を呼ぶための、竜笛──竜はそう思ったが、迫ってきた夕闇に、彼も住まいも何もかも呑まれてわからなくなった。


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