- ナノ -
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薄く繊細な絹の生地にふんわりと包まれるように、春の日差しは優しくて柔らかい。その日差しを感じながら少し霞がかった空を飛んでいると、そのまま空気に溶けていってしまいそうな心持ちになる。
気がつけば、とろんと欠伸をしていた。少し休憩しよう。竜はゆっくりと羽を畳んで、地面に降りたった。
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