あとがき
- ナノ -


あとがき


 「勉強なんかしたくない!」「なんのために勉強してるんだろ?」と思ったことはないだろうか。私はある。というよりも常にその思いに追いかけ回されてばかりである。そして疲れ果て、小学生の頃は良かったなあ、と思うのだ。考えれば考えるほど楽で単純で愉快に思える小学校の勉強。それがほんとうにそうだったのかを探ってみたのが今回の作品である。
 改めて小学生の頃を振り返ってみると、その頃の自分から教えてもらったことの多さにびっくりした。例えば習字に関してだが、小学校の頃は好きではなかったけれども、今は全体的にみると好きである。これから、今は興味がないことも将来の自分は好きになっている可能性があるのだな、ということが身に染みて分かった。未来の自分のためにもなるべくたくさんのことに心を開いておきたいと思うようになった。将来何かの拍子でふと好きになれるかもしれないのだ、だからその時のために、好きじゃないからと見向きもしないのはやめて、なんでも吸収したいと思う。
 必要性を求めることで勉強を進めるということも改めて良さが分かった手だてだ。「私と漢字」のおわりで無理やり理由付けをしてみたが、あれでやる気を起こすのは少し難しいだろう。しかし、この方法は使いようによってはとても使える。何を隠そう、私が今回不安に思いながらも勇気をふりしぼって3週間の海外ホームステイ研修に参加した理由のひとつがこれである。英語と言っても日本にいては実際に使うことがめったにないのだから、やる気もそう簡単には上がらない。しかしひとたび日本を出ればそこは日本語が通じない世界である。その状態に自分を追い込むことによって英語の必要性を感じ、英語を勉強しようと思う心を強めようと考えたのだ。
 今回の作品、「あのころのはなし」ではこの他にも勉強をめぐるいろいろな私の意見をこめてみたつもりである。この作品を通して、日頃勉強に追われ、疲れを感じている現学生の皆さんの心を少しでも軽くすることができたらいいなと切に願っている。



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