- ナノ -


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 昨夜まで降り続いた雪は、まるで自分たちが木の葉だとでもいうように、裸木にこんもりと積もっていた。これだけ雪が乗っていれば、さぞかし重かろう。しかし木々は、全くめげない。なんということもないように、ひっそりと佇んでいる。
 竜は眼下にそんな木々を見ながら、冬の白んだ空を滑るように飛んでいった。自然というものはなんと強かなものだろう。そう感心しながら。


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