- ナノ -
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竜が空の上で出会ったその空色の竜は、背中に荷物を山ほど括り付けて飛んでいた。確かにわたしも手紙を届けたことはあるが、と竜は言った、配達を仕事にしている竜がいるとは。空色の竜は片目を瞑った。なかなかいいもんだよ。大抵喜んでもらえるし、いろんな街も見られるし。
重い荷物にも慣れっこらしい。片手を上げて、彼は軽々と向こうの空へ飛んでいった。
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