- ナノ -


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 長く生きていたらな、と竜。自分がめぐり合った出来事だけではなくて、伝え聞いた話も多くなっていくのだ。男はペンを額に当て、他の竜の話とか? と言った。竜は頷く。それも知りたいな。男は微笑み、ノートのページを捲った。それでは、まず、ある森と街を守った雷竜の話をしようか。そう言うと、再び竜は語り始めた。


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