- ナノ -


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 基本的にはね、竜は群れて暮らさないの、と白竜は竜に言った。だから、食べものや安全な場所、寝るところも、全部自分で見つけなくてはいけないのよ。
 人と暮らし、街で育った竜にとって、それはかなり難しいことに思えた。しかし同時に、何かが心のどこかへすとんと収まったような不思議な感覚があった。やってみる、と竜は言った。その意気やよし、ね。白竜はにこりと笑った。


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