あとがき
- ナノ -


あとがき

「うわあ、私の作品、かなり行間が詰まって読みづらいことになってる……」
 前回、完成した部誌を読んで思わずそう思った。ぱっと見た感じ行間が詰まっていて、あまり改行もないような文章であったら、ほとんどの方が一瞬とまどわれるのではないだろうか。
 私にとって一番書きやすいのは、実はこのあまり改行しない方の文章だ。一ページあたりの文字数が多く、よりたくさんの内容を細かく書くことができる。しかし読みにくいというのは確かにあるだろう。そこで今回は、なるべく要点要点を押さえて、スペースや改行の多い文章を書くことに挑戦してみた。書こうと思っていた作品が、前回の作品に比べてややしみじみとした雰囲気を持つものになりそうだったから、そのあたりもゆったりした間隔を持つこの書き方に合うだろうと考慮した結果である。慣れない書き方だったのでスペースの取り方や改行するタイミングなど難しい点も多かったが、何よりこの書き方のいいところがたくさん分かってとても勉強になった。これからは作品にあわせて二つの書き方のいいところをそれぞれ使い分けることのできるようにがんばっていきたいと思う。
 因みにこの「つれづれなるままに……」という作品はほとんど私の毎日の日記が元になっている。いくらか書き加えたり、分かりにくい文章や表現の仕方などを訂正したりして、エッセイとして書き直したものだ。私は自分の日記を人に見せたことがないし、見せようとは思わない。しかし日々生活していく中で私が思ったこと、考えたこと、感じたことをありのままに書いていくうちに、ふと、このままここに自分の意見を書いていても誰にもそれを伝えることができないということに思い当たった。だから今回、特に伝えたいことから数個を選んで、まだ日記には書いていないが最近考えていることと共に作品として書いてみることにしたのである。いわば、「つれづれなるままに……」は私にとって「開かれた日記」であるのだ。それは普段私がどんなことを日記に書いているのか、または書こうとしているのかかいま見せることであり、多少恥ずかしさを感じずにはいられないことだが、それ以上に達成感とおもしろみのあることだった。書いてみて本当によかった、そう思っている。




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