- ナノ -


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 彗星は空の彼方のごみと氷の塊で、流れ星は塵なんだよね。ぽつり、と彼は呟いた。僕もちっぽけな存在だけど、ずっと遠くから見たら、輝いて見えることだってあるのかな。
 流星群の夜を、竜はゆっくり飛んでゆく。彼はその背の上で、明るいような、それでいて傷ついているような、複雑な表情を浮かべていた。
 

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