- ナノ -
406
あそこに二つ並んだ星が見える? と彼は竜に言った。あの星は、竜と人間の友達なんだって。
なんでも、昔、とても仲のよい竜と人間がいたらしい。だが、人は竜ほど長く生きられない。やがて起き上がることもできなくなった友を見て、竜は悲しんだ。その涙は三日三晩、大地に大雨を降らせたという。
その様子を見て、天が竜と人間を星に変えて迎え入れたらしいよ。彼はそう言って微笑んだ。二つの星は夜空を照らすように明るく輝いている。
[
←
〇
→
]