- ナノ -
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その火竜は、人間の大人なら抱えてしまえる大きさしかなかった。しかし、側にいるだけで体が暖かくなるほどの熱を放っている。あんまり近づくと火傷しちゃうかもしれないけど、と火竜は竜に言った。今度、ものすごく寒いところに行くことがあったら、僕を連れて行ってよ。きっと役に立つから。
竜は、ああ、と頷いた。とても心強い道連れだ、と。
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