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 人間のあいだで古くから伝わる星座にはね、ひとつひとつ物語があるんだ。焚き火の側で古い書物を開きながら彼女は竜に言った。例えば竜の星座には、神さまの宝物を守った竜の話が伝えられてるよ。ほう、と竜。その竜を模して、星座が作られたということか。彼女はゆっくりと首を振る。伝説によれば、神さまがその竜を空に上げて星にしたみたい。
 星なら、ずっと空に浮かんでいられるが、と竜は首を捻る。自由に動けないのは辛いな。きみらしいね、と彼女はくすりと笑った。


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