- ナノ -
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ね、なんだかあの上、歩けそうな気がしない、と彼女は無邪気に笑う。竜も海に目を遣った。太陽から伸びた光が、水平線とこちらの浜辺を結ぶ道のように続いている。
ドラゴンさんに乗って海を渡るのももちろん大好きだけど、と彼女は言った。歩いて渡るのもおもしろいだろうなあ。竜はそうだな、と頷いた。彼女の瞳にも、きらきらと太陽の光が宿っていた。
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