- ナノ -
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馬房の掃除と馬の世話を終え、一息ついた彼の口からため息が漏れた。竜はいいよな。仕事とかなくて。体をまるめ休んでいた竜が片目を開けて言う。人と共同で仕事をする竜もいる。それに、仕事をしない竜は、生きるための全てを自分でしなければならない。食料を探すのも、寝床を探すのも、何もかもを毎日。
やっぱ、仕事あってよかったのかも、と苦笑いする彼。竜は何も言わずに再び目を閉じた。
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