- ナノ -


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 まじまじと竜を見ている。それはもう、ためつすがめつ、興味津々で。竜はそんな少年に、思わず言葉をかける。それほどにおもしろいか。彼は大きく、何度も頷いた。おもしろいよ。たとえばさ、翼……とっても大きいけど、きみたちのからだは鱗でびっしり、とっても重そう、なのに軽々と飛ぶんだ。不思議でさ。そういえば、と竜も首を傾げる。どうしてなのかは、わたしもわからないな。少年は、でしょ、と目を輝かせる。ぼく、竜の研究する人になりたいなあ。
 竜のスケッチや覚え書きでいっぱいの彼のノートのページが、風でぱたぱたとたのしげな音を立てた。


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