- ナノ -


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 僕だって人を傷つけたくない、とその青い龍は言った。でも、僕の大事な友だちは、人間に……。その一瞬。彼は、とても悲しそうな目をした。だから、守らなきゃ。青い龍はそう言って、竜に背を向ける。竜は何も言わなかった。ただ竜の目にも、とても悲しい光が浮かんでいた。


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