- ナノ -


188

 なあなあ、次はどこに行くんだ? その褐色の飛竜は、わくわくした様子で竜に尋ねた。もう何日もこんな調子だ。普段、誰かと空を渡り旅することはない。静かな時間がほしいと思うこともあったが、いつのまにか、共に飛ぶことをたのしいと感じてもいた。海の見える場所まで飛ぼう。竜がそう言うと、褐色の飛竜は、いいね、とうれしそうに宙返りした。


[ ]