- ナノ -


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 君の旅に終わりは来るのかい、と友は尋ねた。竜は頷き、答える。必ず、終わりは来る。どんな風もいつかは止むのだ。ふうん、と友は微笑んで言った。僕は、風がいつまでも止まないよう願うべきかな。然るべき時には止むよう願うべきかな。竜はそれには答えなかった。ただ、その瞳で遥かな空を見つめていた。


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