- ナノ -
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その竜は樹木と共に生きていたという。彼の力は大地と繋がり、木々の命の源となった。そこにとある人間の国が目をつけた。竜の力で育った質のよい木を次々と刈り、他国との戦争のための武器としたのだ。森は燃え、多くの血が流された。竜はそれを悲しんで、自ら命を絶った。その瞬間、木々で作られた武器は、あたり一帯の樹木もろとも枯れ落ちてしまった。
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