- ナノ -


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 竜がある日、火の力を持つ竜を訪ねると、彼は小さな炎をよく熟れたりんごに吹きかけていた。火の竜は照れたように身じろぎした。人間たちがこうしてりんごを食べているのを見て、その、なに、おいしそうだと思ってな。それを聞き、竜は表情を変えずに頷く。実際、うまい。火の竜は一瞬きょとんとして、それからどこかしらうれしそうに笑んだ。おいしいものは、おいしいよな。異議なし、とばかりに竜はもう一度力強く頷いた。


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