- ナノ -


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 あれっ、と彼女は言った。雨、冷たくなってる。ぽつりぽつりと落ちてきた雫は、確かに刺すような冷ややかさだ。このあいだまでそんなことなかった気がするのになあ。隣にいる竜になにげなく触れた彼女は、竜の鱗もいつのまにかひんやりしていることに驚いたようだった。秋はすでに深い。北風の季節が、やってくる。


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