- ナノ -


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 一緒に育った人間の友を失った後も、竜は多くの人々とめぐり合い、共に暮らした。しかしその誰もが、竜を残して世界から旅立ってゆく。どうしてみんな先にいってしまうんだろう。竜の心は悲しみでいっぱいだった。
 それでも、その人たちのことを思い出せば涙はあたたかな雫となった。一滴一滴が胸に広がり、満ちていく。竜は空を見上げた。赤く、明るく輝く夕焼けが空を染めていた。


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