- ナノ -
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雨のなかを、竜と人が歩いていた。降りしきる雨は、止むことを知らないようだ。人間がふとつぶやいた。雨は嫌いだけどさ。葉っぱとか、花とか、いろんなものがきらきら光ってきれいだよね。そうして、竜をやさしく撫でて言った。君の鱗も、光っててきれいだし、ね。雨のなかで、その人の笑顔も輝いた。
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