- ナノ -


127

 どわっ、とその人間は声を上げた。彼の身長の倍以上はあるだろう書棚から、次々に本が落ちてくる。幸い怪我はないらしい。彼は本の山からひょっこり顔を出した。
 まあ、竜の知識に人の知識は遠く及ばなくてもさ、と彼は言った、こんなにいろんな人が残してくれた書き物があるんだ。みんなの力をあわせたら、少しは竜に追いつけるかもな。照れ笑いする彼を、竜はやれやれ、と本の中から救い出した。
 

[ ]