- ナノ -


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 大粒の雫が音を立てて降りそそぐなか、竜は翼をはためかせ、大樹の下に降り立つ。そこには先客がいた。人間など数人は乗せて飛べるような大鷲だ。この雨だと、私の羽は濡れて飛べなくなってしまってね、と大鷲は言った。わたしの羽は水滴を弾くが、重いからそれなりの休憩が必要でな、と竜。ややあって、大鷲が徐ろに口を開いた。でも、やっぱり濡れない羽ってちょっといいなって思う。竜も言った。軽くてより長く飛び続けられる羽、憧れはある。そして顔を見合わせ、笑った。


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