- ナノ -


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 その仔竜は、他の竜を知らない。物心がついたときから人と共に生きてきた。羽の使い方は人にわからず、竜は自分で飛ぶことを覚えなければならなかった。空へ向かって、跳ぶ。今度は走って、羽ばたく。幾度も失敗した。だがふしぎと、気持ちが塞ぐことはない。あの空を飛びたい。その思いが、仔竜をどこか深いところから突き動かす。


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