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- ナノ -


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 少年は竜が怖かった。どうしても竜に近づくことのできない少年は、周りの人々から怪訝な顔をされ、いつもひとりだった。ある日、少年が俯きながら歩いていると、木陰にちいさな竜がいた。少年は驚き走り去りかけたが、ふと立ち止まる。そして竜をよく見た。竜は怯えた目で少年を見ていた。おなじだ、と少年は思った。おそるおそる抱きあげた竜は、少年の胸のなかで震えていた。
 少年はその竜と共に暮らした。人の寿命が尽きるその瞬間まで。


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